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ips細胞と加齢黄斑変性症

[2014.10.15]

2012年度、京都大学の山中伸弥先生ノーベル生理学・医学賞受賞で更に知られるようになったips細胞。そのips細胞で作った網膜色素上皮細胞を加齢黄斑変性の患者さんに移植する臨床研究が2013年度にもスタートするらしいというニュースをみました。患者さんのips細胞から網膜色素上皮細胞を作り移植する臨床研究ということです。網膜色素上皮細胞を移植しても見えるようになるわけではないのですが、病気の進行を遅らせる効果が期待できるとのこと。

通常、網膜細胞が新陳代謝を繰り返すことで出る老廃物は網膜色素上皮内で消化されますが、その働きが低下してくると老廃物がたまり、起こった炎症を鎮めようとする物質が血管内皮増殖因子を放出して新生血管が生まれます。新生血管が網膜色素上皮に増えて黄斑部の機能が低下することも黄斑変性症の原因と考えられていますので、一度傷んでしまった視細胞を元に戻すことはできなくても、元気な細胞を移植して老廃物をためず病気の進行を遅らせるips細胞の臨床研究は有用なことだと思います。( Y.K )

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